データウェアハウス(DWH)とは

はじめに

データ活用のシステムについて調べていくと「データウェアハウス(DWH)」という言葉をよく聞きます。「データウェアハウス(DWH)」とはどのようなものでしょうか。言葉から類推するとデータに関連するものだということは想像に難くありませんが、順を追って解説してゆきます。

データウェアハウス(DWH)は、なぜ必要か?

「データウェアハウス(DWH)」とは、英語では「Data WareHouse」と記述し、直訳すると「データの倉庫」になります。ただ、データを集めただけの場所ではなく、ビジネスの状況を分析して意思決定に役立つようにデータを貯めておく場所になります。近年、ビッグデータといわれるようになり、あらゆるところからデータを取得できるようになり、蓄積量も大きくなってきていますが、それらのデータを活用するようにできていなければなりません。

では、データ整合性を持った正しい形の「データウェアハウス(DWH)」が作られていないと、どのようなことがおこってしまうのでしょうか。

■ データを情報として活用できない
  同じ意味の違うデータが散在している。例えば、システムによっても企業名を「取引先」、「仕入先」など複数の呼び名でデータが存在してしまう。

         この場合、自社の全顧客名を取り出すことは困難になってしまう。

■ データの信頼性に欠ける
  さまざまなシステムからデータを抽出している場合、データ抽出のタイミングの違いによって、データの鮮度にばらつきが生じ信頼性が損なわれます。

■ 分析業務の生産性の低下
  同じようなデータベースをいろいろな部署で作成しており、非効率。

このような課題を解決するために、データを一元管理し統合したデータを格納するシステムが必要になります。

データウェアハウスとは

データウェアハウスは、これまで二人の有識者によって牽引されてきました。DWHの父と言われるビル・インモン氏とデータウェアハウスの伝道師 ラルフ・キンボール氏です。それぞれアプローチは違いますが、似た考え方でデータウェアハウスを定義づけています。

ビル・インモン氏は、データウェアハウスを次のように定義しています。
「サブジェクト別に統合化された時系列で不変の時系列要約データと明細データの集合」
ひとつひとつ紐解いていきましょう。

・サブジェクト指向

サブジェクト指向とは、データをサブジェクト(主題)ごとに分解、整理することです。例えば、顧客分析をするとなると、顧客というサブジェクト(主題)の切り口で分析できなくてはなりません。よって、顧客のデータだけを集約させる必要があります。

・統合化

システム毎にデータの名称やコード体系が異なります。これらのデータの定義を全て統一する必要があります。

・時系列

データを時間的な順序で保存します。

・不変的

過去のデータを更新しません。基幹システムはデータを上書きして最新のデータしか保存しません。

・集計データと詳細データ

トランザクションを構成する最小レベルの明細が含まれ、集計できるようになっている。

・履歴

過去のデータも保存します。

また、ビル・インモン氏と並び称されるラルフ・キンボール氏は、データウェアハウスを設計するための手段として、ディメンジョナルモデルというものを提唱しています。
ディメンジョナルモデルとは、業務プロセスに関する量的データ(売上数など)を含むファクトとファクトデータを記述する属性が格納されたディメンションで構成され、データ利用者が行うファクトについての問い合わせに答えられるようになっているとしています。
例えば、製造業のデータウェアハウスに例えていうならば、ファクトとディメンションは以下になります。
ファクト:販売価格、原価、収益など
ディメンション:時間、部門、所在地、製品など
この論理モデルを図化したものが下記の通りで、星形のようになっていることからスタースキーマと呼ばれています。

DWHについて2つの概念をご紹介しましたが、どちらかを選択するという話ではなく、上記2つを組み合わせた形で設計・構築することが重要です。

引用元:データマネジメント知識体系 第二版

DWHからデータプラットフォーム製品へ

DWHを構築する場合、従来はオンプレミスでOracle、SQL Server、Sybaseなどのデータベース製品を利用するケースが多かったのですが、近年はSaaS型のデータプラットフォーム製品が市場を席巻しています。本記事では、その一部の製品をご紹介します。

DWHの利用が拡大していく中で、DWH用途に最適化されたデータベースが市場に次々に投入されてきていますので、データ量やユーザー数などの規模や利用形態など 要件に柔軟に対応できる製品を選択することをお勧めします。

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