コツさえつかめば、誰だってデータ活用の定着化に成功できる!
BUYMAを運営する株式会社エニグモ嘉松さん

★このコラムは、Voicyをテキスト化し一部抜粋したものです。ご聴講はこちらをクリックください。

今回は、株式会社エニグモでデータ活用推進室に所属されている嘉松さんへインタビューしました。株式会社エニグモといえば、海外ブランドからコスメ、アパレル関係まで幅広い商材を個人間で売買していただくためのプラットフォームであるBUYMAが有名です。

自己紹介

株式会社エニグモの嘉松です。エニグモという会社でBUYMAというサービスの提供に関わっています。

BUYMAは、個人と個人をつなぐ C to C(Consumer To Consumer…一般消費者対一般消費者でビジネスを完結させるビジネスモデル)のビジネスモデルに分類されるサービスです。

 

イメージしていただくと、メルカリの様な感じです。ただ、扱っている商材がメルカリと少し異なり、海外のブランドもの、例えばバックではヴィトンやシャネル、ダウンコートではモンクレール等を対象としています。最近は家具やインテリアなど家の中で使うような商材も伸びています。その他、キッズ向けのアパレル、ベビー服、海外のおもちゃなども取り扱っています。そういった商材を個人間で売買していただくためのプラットフォームを提供しているのがBUYMAです。

ネットならではの点は、購入履歴、来訪者数等のデータだけではなく、お客様がどういうページを見てどういうページに遷移したのか、お気に入り登録をした後にカートに入れたのか等、お客様の行動一つひとつがデータとして落とせるという点です。これらは実店舗だと把握しづらい情報ですが、ネットだと活用されているケースが多いと思います。

私は元々エンジニアではありますが、現在はマーケティング部門でデータ活用推進室に所属しています。購入者さんを支援するような部門で、販売促進や、購入者様側に向けたマーケティングを行っております。第一回の緊急事態宣言が発令された時は、お客様の行動が非常に消極的になった部分はありますが、一方でお客様がネットを使うことに対してハードルが下がったというか、直接店舗へ行けないので、ネットを利用して頂けるようになりました。我々は、プロモーションを考える現場のメンバーから、いろいろな分析の依頼を受けて分析します。弊社では、エンジニアはもちろん、画面のデザインを考えるメンバーや、プロモーションを考えるメンバーも自分でSQLを書いてデータ分析をしますので、SQLを教えることもあります。BIツールを使って、簡単に分析できる環境が充分整っていない部分があり、みんな入社してからSQLを覚えます。

BIツールの定着化

私が新卒で入社した会社は、外資系のコンピューターメーカーで、その時に株式会社ジールさんと一緒に製薬会社さんのデータウェアハウスとBI構築という案件を担当しました。私はシステムを導入するベンダー側として12年程勤務し、その後インターネットを活用したゴルフ用品の販売やゴルフ場の予約サービス、ゴルフのニュースを配信する会社に転職し6年間勤務しました。その会社にはシステムエンジニアとして入社し、データウェアハウスを使った経験があるということでBIの構築案件に携わり、そこで初めてユーザー側の立場としてのデータ活用を学びました。

その後、ファッションECサイトを運営する会社へ転職しました。データ活用の推進部門に所属し、クラウド上でマイクロソフト社のデータウェアハウスを使ったシステムの導入を担当しました。さらにその後、エニグモに転職しました。転職を3社経験して学んだことは、データ活用の難しさは大きく分けて2つあるという事です。

  • データを活用するためのシステムを作り、データウェアハウスを活用してBIツールを導入する難しさ。
  • 導入した仕組みをどうやって現場に浸透させ、活用を推進させるかという難しさ。

3社を比較すると、1社目はトップダウンで要件がガチっと決まっていたのですが、よくよく聞いてみると、自由分析をしたい、帳票を出力したいなどの要望があり、実際には、それらの要望にあまり応えることができませんでした。トップダウンで進めていく場合、なかなかうまくいかないケースがあると感じました。

2社目は、スモールスタートでリリースし、ユーザーに使ってもらいフィードバック受けながら改善していくサイクルにしました。その結果、浸透が早かったです。どういう分析をしたいのかというのは、最初からわかるものではありません。例えば、商品情報管理システムというのであれば、商品名と価格などを登録して・・・というように要件が決まります。その場合の分析は、年代別や性別、都道府県別、売上や来訪者数などある程度わかりますが、その後、年代別は10歳区切りではなく、5歳区切りにしたいという様に、ビジネスにおけるその時その時の課題によって、分析軸が変化するので、全部網羅して、最初からはじめようとすると、時間はかかるうえに、データ量も増えてしまい、使わないものがたくさん残ってしまいます。そういったことを踏まえ、手探りで進めて行く方が非常に効率的だと思います。

データ活用の定着化成功のポイント

データ活用の定着化成功のポイントは、ある部署のキーパーソンのひとりに、要望だけ聞いて取り組みを始めるスタイルです。色々と話をする現場の人たちの中から、誰がデータ活用の勘所があるか、というキーパーソをみつけることが結構大切です。その人に、「何か困っていることはない?」と聞きながら要件に落としていく。そんな感じでやっています。データ活用が定着する会社はITリテラシーが高いとか、活用が進んでいるという風土はあるのですが、結局「人」による部分が大きいですね。

勘所がいい人の見分け方は、データをどう活用していこうかと常に考えている人ですね。そこで、2社目の会社ではキーパーソンを集めて<エバンジェリスト(伝道師)制度>を設けました。各部署から勘所が良さそうなエバンジェリストを集めて、現状の課題を話し合い、社内の非効率な業務を改善、分析を高度化、さらにデータ活用を会社全体に広めてもらう活動を始めました。

エバンジェリストは、各部署から1名選出し7~8人のチームで構成しました。彼らは、元々業務の効率化に意識的に取り組まれている方が多かったです。エバンジェリスト会議の中で、業務の改善によって、どれくらいの効果があったのかを数値に落し込むことによって、エバンジェリストの意味や必要性が、定量的にわかるようになりました。それにより継続的な活動ができ、継続的なデータ活用を進めていくことができたので、この制度を設けて非常に良かったかなと思います。

エバンジェリストの目標は、所属の部署にデータ活用を伝道することです。「やってください!」と強い伝え方ではなく、自分が試してみて「便利になりました!」という様にお勧めしながら広めていき、草の根的な感じで活動を続けていました。

相手の本音を引き出すコツ

エバンジェリスト制度を他の企業でも応用できるか?という点ですが、「システムを作ります!」という様にシステムを中心に構築を進めるよりも、どれだけ現場の人達に寄り添えるかが重要になります。日頃からコミュニケーションを取りながら、「嘉松さんに相談すると良い解決方法を出してくれるよね~!」という様な関係性を構築していかないと、本音や課題は出てこないと思います。

前の会社でマラソン仲間と走っているときに、「ちょっとこんなことできません?」と走りながら話して、飲みに行った時に詳しい話を聞いて・・・という様に、話しかけやすい雰囲気と関係性を築いていくというのが、やはり重要なのかなと思います。

Voicy わおんDX