コロナ禍における小売業の課題
~データドリブンを意識したオムニチャネル化への第一歩とは~

2020年11月4日、株式会社ジールにて、『【ウェブセミナー】コロナ禍における小売業の課題 ~データドリブンを意識したオムニチャネル化への第一歩とは~』が開催されました。その内容をレポートします。

はじめに

新型コロナウィルスの影響により激しく変化する環境に対して、迅速な対応を求められるようになってきました。この激変する環境を乗り切るためには、その時々に応じた戦略の立案・実行が必要になります。そのためには、あらゆるデータを自在に駆使していくデータドリブン経営の重要性がますます高まってきています。しかし、どこからはじめてよいのかわからないという方も多くいるのではないでしょうか。本セミナーは、まずデータドリブン経営はなぜ必要なのかといったところから、データ活用をすぐに始められるソリューションを紹介していきます。

第一部:小売業におけるデータ活用の現状について

<講師> 株式会社ジール 営業本部 営業第二部 部長 河西 徹 氏

コロナ禍における業態別にみた小売業の現状

小売業の中でも業態によって売上が好調な企業、売上が下がっている企業と明暗が分かれ二極化が進んでいます。ホームセンター、ドラッグストア、家電量販店、家具チェーン、Eコマースなどは総じて業績が好調と報じられていますが、スーパー、コンビニ、などの業界は天気に例えると曇り、百貨店、アパレルなどは雨ということで、思わしくない状況になっています。しかし、この思わしくない業態の中でも業績を上げている企業もあります。

この売上が好調、不調の明暗を分けるものは何でしょうか?紐解いてみると以下のような要素が考えられます。

  • 商材:巣ごもり需要による在宅用品購入
  • インバウンド需要:コロナ禍による需要の減少
  • 郊外型or都市型:リモートワークにより都心の店舗の需要減少
  • デジタル化(DX):店舗のデジタル化とデータ活用

以上のような要素がありますが、このセミナーではデジタル化(DX)についてさらに詳しく説明していきます。

小売業におけるデジタル化(DX)

小売業におけるデジタル化(DX)は、次の二つが挙げられます。

  • 店舗のデジタル化

  キャッシュレス決済、無人レジ、レジレス店舗など

  • データドリブン

  リアル店舗とECサイトのデータ活用

このデータドリブン、リアル店舗とECサイトのデータ活用について説明していきます。
これまでリアル店舗の売上を中心としていた企業でも、オンライン販売に注力する必要が出てきました。昨今ではマーケティングの観点からスマホアプリや、SNSの活用などで、顧客との接点を増やしていく、すなわちオムニチャネル化が進んできています。それと同時にデータに基づいた事業活動を進めていかなければならない状況に直面している企業が多くなってきています。

企業の課題

このような背景からお客様が抱えているオムニチャネル化の課題を、実際にお客様からお聞きした内容を元にいくつか例を挙げて整理していきます。

ドラッグストアチェーン A社
店舗とECサイトの両方とも売上は好調。データを活用してマーケティングや経営に対して役立てていきたい考えているが、売上が好調のためデータ活用の必要性について理解が得られない。

CDショップチェーン B社
ECサイトの売上が増えているが、店舗の売上が減少する傾向がどんどん強まってきている。そのため、入居している商業施設とのテナント料の調整が必要となってきている。

アパレルチェーン C社
店舗の売上が大幅に減少したため、急遽ECサイトの販売の強化に注力。しかし、店舗とECサイトのデータが統合されていないため、データを活用したマーケティング施策を実施できていない。

データ分析の必要性

上記のような課題を解決するためには、現状を正確に把握し、適切な戦略を立案・実行する必要があります。
現状を正確に把握するためには、データに基づいて物事を判断していかなければなりません。存在するデータを分析して、企業の経営やマーケティングなどの意思決定もしくは打ち手に繋げていくデータドリブン経営が重要となってきます。では、このデータとはどのようなものがあるでしょうか。ここでDIKWピラミッドとよばれる理論を紹介します。

例えば、小売業における売上データは、下記の図でいうとData(データ)にあたります。
このData(データ)を活用するためには、情報(Information)に変えていかなければなりません。そしてその情報から知識(Knowledge)を得られるようになってきます。最終的には知恵(Wisdom)になり事業活動に活かしていかなければなりません。

次の第二部のセッションで、データを情報に変えて、それを知識にするための基盤として、ZEUSCloudというデータ統合プラットフォームを紹介します。また、データドリブン経営をより高度にしていくため、自社のデータだけではなく、外部のデータを積極的に活用することを可能にするCO-ODEというサービスを第三部で紹介します。

第二部:リアル店舗とECサイトのデータ分析に必要なデータ統合について

<講師> 株式会社ジール データアナリシスプラットフォームユニット 高梨 月霞子 氏

コロナ禍の感染拡大により消費動向は、大きく減少しています。しかし、在宅ワークなどで自宅にいる時間が長くなったため、ECサイトの利用は、伸び続けているという現状があります。そのため、ECサイトとリアル店舗をお持ちの企業には、ECサイトのデータとリアル店舗のデータを有効に活用するため、オムニチャネル化が必要になってきます。オムニチャネルとは、リアル店舗やECサイトだけでなく、顧客に適したサービス提供をするという考え方で、販売戦略の1つとされています。
では、どのようにオムニチャネル化したらよいのでしょうか。ここで課題と解決策を整理したいと思います。

課題

  • コロナの影響により、店舗への来店が減ってしまった。
  • 店舗の顧客がECサイトへ流れている。
  • 店舗とECサイトのデータがバラバラで活用できない。
  • コロナの影響で、売上の動向が小売業の中でも二極化している。

解決策

  • チャネル別にトレンド分析し、購買行動を把握する。
  • 店舗とECサイトを統合したデータで分析し、相互利用につなげる。
  • SNSを活用して、新しい購買層を獲得する。
  • 自社データだけでは得られない気付きを得るため、オープンデータを活用する。※第三部でご紹介

ZEUSCloudで、小売業(洋服)の販売データを用いた分析例をデモンストレーションしながら説明します。

次の図は、ある店舗の売上の動向を示しています。
まず、店舗別で表示しており、ある店舗をクリックすると自動的にフィルタリングされて、売上の情報などを見ることができます。また、前月比の数値やパーセンテージで上がっているか、下がっているかを簡単に見ることができます。商品のカテゴリーや価格帯の売上構成、顧客の男女比や年代などの集計もわかります。

顧客別で見ていくと、男女比に対してどのような年代がいるのか?という切り口もわかります。またクロス分析として、価格と年齢層で占めているパーセンテージや数値について簡単に見ることができます。RFM分析など高度な分析もZEUSCloudでは簡単に見ることができます。

チャネルについてはウェブからなのか、FAXからなのか、テレビの広告からきているのかということも分かります。また同時購入しているものがわかれば、バスケット分析ができます。例えば、スニーカーが買われている時に、同時にジーンズも一緒に買われているということがわかります。
※バスケット分析とは、一緒に購入されたものを調べ、その傾向を分析する手法です。

ここまでは、マルチチャネルという状態での分析になりますが、店舗とECサイトの2つのデータを統合すると今度はチャネルごとにデータの比較をすることができます。例えば、全体のうち店舗が41%を占めており、ECサイトの利用が58%を占めているということが、ひと目でわかります。また、利用している年代がチャネルごとにどれくらい変化があるのかということもデータが統合されていれば一瞬で分かります。

ここからオムニチャネルに繋げていくために、SNSのデータを活用した場合についてお話させていただきます。こちらはアクセスされた時間帯を集計したものになります。朝の8時の時間帯、お昼の12時、夜7時以降の時間にアクセスが集中していることがわかります。また、ECサイトのデータを利用して、年代ごとにどのSNSが使われているのかということもグラフで見えるようになっています。このようにデータを活用することで、どの時間帯に、どこのSNSで、どの年代に対して広告を打つのか、という新たな顧客層を獲得するための1つの判断材料になります。

また、どの検索ワードでどのようにアクセスして来たのか、実際に購入された数量はどのくらいか、ということを店舗やECサイトの購入情報を利用すれば、どれぐらい差分が出ているのか、ということも一目でわかるようになります。 Webログ情報があれば、コンバージョン率なども出すことができますので、広告を打ったその施策効果としてアクセス状況、実際に購入されるまでのコンバージョン情報も可視化することができます。

第三部:消費者のニーズをとらえるための外部データの活用について

<講師> 株式会社ジール デジタルイノベーションサービスユニット 横山 惠里奈 氏

自社の購買実績だけではわからないことを天候のデータと突き合わせ、相関関係を見て、新しい気付きを得たり、地域によっては、住んでいる人の世代別の情報から購買情報と突き合わせてどの年代が購入しそうなのかといった気付きを得ることができます。では、外部データとはどのようなものがあるでしょうか。例として下記のようなものがあります。
気象情報、人口・世帯、経済・景気、企業情報など。
今回はZEUSCloudを用いて、社内データと外部データを利用した分析例を紹介します。

人口と世帯の外部データを利用するケース

自社の店舗のある地域に自社の顧客が、どのような人口構成・世帯層が住んでいるのかを表示させることができます。また、その地域に居住している人口・世帯データを重ね合わせることによって、来店客数や会員数を増やす施策を検討することができます。

気象データを利用したケース

気温や降水量の変化から店舗とECサイトでの売上高や商品ごとの変動を分析することができます。よって、適切なタイミングでの販促活動や勘や経験で行っていた在庫の最適化や人員配置をデータに基づいて実施することがきます。

家計調査データを利用したケース

自社の売上データと家計調査データによる消費金額の動向を比較することができます。このコロナ禍の影響によって、どのカテゴリーの商品が影響を受けているのか、またそれらを自社のデータと比較して、強化すべき商品などを分析することができます。

CO-ODEサービスについて

外部データを活用するには、データの収集、準備に手間がかかり活用しづらいという課題があります。
その課題を解決するサービスが CO-ODEです。
CO-ODEは、散在している外部データを集約し、分析しやすい形で提供するサービスです。

無料トライアルの案内

ZEUSCloud、CO-ODEについて無料トライアルを用意していますので、気になった方、試してみたい!と思った方はこちらからお問い合わせください。

まとめ

データドリブン経営をしていくためには、まず社内にあるデータを正確に把握する必要がありますが、それをするための基盤を作ろうとすると、簡単には取り掛かることができないと思っている方は多いのではないでしょうか。
また、社内のデータだけではなく、外部のデータを取り込んで活用すれば、より客観的な知見が得られるのに、これもまたハードルが高いと思っている方は多いのではないでしょうか。本セミナーでは、それらの課題を解決するサービスのご紹介でした。ご興味のある方はぜひお問い合わせしてみてください。
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