前回に引き続きDJ MAKIさんをゲストにお迎えして、管理部門のDXについてお話しいただいています。
前編ではDJ MAKIさんの自己紹介や、管理部門と呼ばれる経理や人事、総務、法務などの方に向けてERPと呼ばれるシステムや、DJ MAKI
さんが学んだことをアウトプットする場が欲しいということで、セミナー登壇を自ら立候補された内容でした。
後編ではセミナーに登壇して感じたこと、またDJ MAKIさんのセミナーに参加した管理部門の方が変化していった様子を伺っています。
※DJ MAKIさんという名前は、Voicyの中のペンネームですので、実際にDJをされているわけではありません。
前編で経理部門の方に企業を良くするには、「嫌われる勇気も必要」ということをお話ししましたがもう少し具体的にご説明します。
例えば製造業の例では、経理の方には二つのパターンの方がいらっしゃいます。一つはオフィスに勤めている管理部門としての立場の経理
部門の方。もう一つは工場にお勤めの工場経営部門の方です。
前編でお話していた<現場>は工場経理の方になります。この場合、オフィスの計算と現場の経理さんの間で調整が必要になります。
優先順位は直接部門の方が高いので、そちらに投資のお金は流れていきます。ただバックオフィス系の間接部門にお金を流さなくていいのか
と言うとそうではありません。
ここでの課題は、お金を使う・使わないは別にして考える必要があります。考えた結果、投資してでも変えた方が良い課題であれば、お金を
使って解決していこうというステップです。
すぐに社員が退職してしまう企業は、いわゆる黒い企業と言われる会社です。
黒い企業はやはり忙しい。忙しさの理由は、お金をかけずにマンパワーで何事も解決しようと思っているからです。そういう企業はなるべ
くお金を使いたがらない傾向にあるため、従業員や現場の負荷が非常にかかってしまい、結果的に人が辞めていく。人が辞める場合、引き
継ぎにも労力を要する。属人化している業務の中で、誰かがやめた結果、業務をわかる人がおらずにその業務が回らなくなります。そうい
ったリスクを解決させるためにはシステムを導入し、業務の標準化が大事だという結論に達します。
よく使う表現としてモグラたたきを例に出します。畑にモグラがどんどん出てくることを想定した時、モグラを叩く仕事とモグラが出なく
なるような仕事の二つがあると私は思います。
前者のモグラを叩く仕事というのは、日々業務を一生懸命行っていると、課題が次々出てくる。その課題を潰しモグラが出ない綺麗な状態
になったら、今日も一生懸命仕事をして頑張ったと思いますがこの場合、根本原因を解決していないため、またすぐにモグラは出ます。そ
してもぐらを叩き続けなければならないのです。
そういう仕事の仕方をするよりも、モグラが出てこられない畑に改善する仕事をしましょうと言う考え方があり、あなたたちが行っている
仕事はどちらですか?とセミナー受講者に質問することがあります。そうすると危機感を覚えますので、見直してみようという気持ちにな
ります。お金を使う、使わないは別にして、まずは見直しからです。
セミナーを重ねるうちに、対話型のセミナーにしたいと思う様になりました。セミナーは基本的に一方通行なので。セミナー後にみなさん
にアンケートをお願いしていますが、その質にもこだわっています。また、セミナー中に投票機能を取り入れました。投票機能は参加され
た方の状況を共有できますので、私がそれに対してコメントをし、更にみんなで他社事例を共有しながらセミナーを進行しました。その結
果、一方通行だったセミナーが相互通行になりました。
私が営業の頃現場の人の話を聞いて培ってきた事と、投票機能で出た傾向が異なる結果だったので学びや気づきがあり勉強になりました。
参加者の業界の特徴による偏りも影響するのだと思いますが、全体を通してみると、私の聞き方にも偏りがあったと感じることがあります。
管理部門は売上を立てていないので発言がしづらく、コストを掛けられないと遠慮してしまう人が多いのですが、「管理部門こそ攻めなけ
ればいけない!」という考えがあります。わたしは働き方改革について研究をしていた時期がありました。お客さん先にも働き方改革に取
り組まれていた企業があり、現場の経理さんから胸に刺さるエピソードを伺いました。それは「頭を使う時間が欲しい」という話です。
その方はかなり上の役職の方でした。
先ほどのモグラたたきの例で言うと、これまではモグラ(目の前の課題)を叩くことで精一杯になってしまうので、課題のサポート対応で一日
が終わり何もできなくてお困りだったそうですが、コロナで在宅ワークに変わった瞬間、考える時間が確保されるようになったという話をさ
れていました。
当時2018、2019年ぐらいの話だったと思います。
頭を使う時間は絶対に必要で、頭を使わず目の前の業務を一生懸命やるだけになってしまうと何も変わらないということです。毎年同じ作業
を繰り返し、「それって本当に人がやる必要があるのかな?」という結論に達してしまうと思います。それであれば不要な作業を自動化して
しまえば、頭を使うことに時間が割けます。そうすれば新しい発想が生まれ業務の改善の施策に繋がります。
出社していた時のことを思い返すと、業務上不明点が出たら「誰々さんに聞いてみよう」と管理部門の方はよく声を掛けられていたと思
います。管理部門は部署と連携して行わなければならない業務が多く、調整するコミュニケーションをつける必要もあり高度な部門です。
管理部門の業務がやはり経営的な側面に間違いなく繋がるので、意識をして取り組んだほうがより良い企業に生まれ変わっていくかなと
思います。
重要度が高い事に時間を作るコツは、第一領域の仕事をむやみやたらに引き受けない事だと思います。第一領域は緊急度が広くて重要度が
低いものという事です。やることやらないこと、特にやらないことを明確にします。
何のためにやるのか?本当に必要な作業なのか?という点を腹落ちさせて、やる必要ないなと思ったことは自分の仕事を振ってくれる上司
に調整
してもらいます。断るコツは、わたしは結構デリカシーのない人間なので(笑)「本当に必要ですか?」と単刀直入に聞いています。
ただ、そうなるためには相互理解が必要です。お互いに理解しあうことは大事な点だと思います。そのためには常日頃からのコミュニケー
ションは不可欠だと思います。
詳しく聞かせて欲しい、話が違うというコメントがあればぜひお知らせください!僕にとっては勉強になります。
また案件がある方はどんどん書いていただければと思います!