DXには嫌われる勇気も必要
ー前編ー

⏱2023/3/6

このコラムは、Voicy をテキスト化し一部抜粋したものです。ご聴講はこちらをクリックください。
今回はDJ MAKIさんのインタビュー回です。管理部門のDXについてお話を伺いました。

目次

今回のテーマは管理部門のDXです。
管理部門は主に経理や人事、総務、法務などが該当し、営業やマーケティングなど売り上げに直結する部門をサポートする部分といわれ
ています。売上に直結しない部門であるため、間接部門と言われることもあるそうです。

前編では、管理部門と呼ばれる経理や人事、総務、法務などの方に向けてERPと呼ばれるシステムなどのお話を伺いました。

※DJ MAKIさんという名前は、Voicyの中のペンネームですので、実際にDJをされているわけではありません。

 

自己紹介

私が今所属しているのはいわゆるIT業界です。その中でも基幹システムという企業ERPの部分です。特に会計領域についてお客さんの支援
をしているところで、システムの開発から提案、導入、保守まで一気通貫、ワンストップで行っている企業です。
今勤めている会社は二社目で、前職も同じ業界でした。
管理部門とは、一言でいうと企業の裏から支える縁の下の力持ちです。実際にお客さん先や取引先と交渉し、お金を稼ぐ営業部門とは別で、
企業の財政状態がどうであるか、円滑な自社活動を行う経営方針の策定などをチェックする部門が管理部門になります。
僕は企業を訪問した際、段階にどんな部門があるのか必ずチェックするようにしています。それにより企業の体質が何となく見えてきます。
例えば、上の階に管理部門があると「昔からの古き良き伝統を守っている会社」である傾向が強いです。不思議なことに管理部門、人事、
総務部門、法務部門が下の階にあえて配置している企業を、私は見たことがありません。他の部門と同じ扱いというのは良くあります。
これは古い考え方なのですが、出世するには人事畑から歩んだほうがいい、人事が花形という考え方があり、管理部門を上の階に配置して
いる企業はそういう風土が残っているのかなと感じます。あくまでも自分の中での指標なのですが、チェックしています。

   

 

  

セミナーに登壇することになった経緯

前職でセミナー登壇することになった経緯は、僕はアウトプットする機会を求めていました。
一時期、「
LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」が流行った時期があり、僕もそれに習って人生設計をしました。
人生100年としてその中で働く期間を考えると、勤めている会社を退職した場合、転職をして新しい会社で働き続けることになります。
近年は定年退職という観点がないため、セカンドキャリアで働いた時に、働き続けられるのか?若い年代の人たちと一緒に仕事ができ
るのか?と考えました。新しい世代が次々と現れ、技術が進化し、イノベーションや教育も進歩していく。それに対して自分の成長曲
線は同じ形で成長していけるかと危機感を覚えました。

その不安を解消させる為には勉強するしかないと思いました。世の中の最新の、例えばハイテク産業、イノベーションについて追求する
形で勉強を始めました。しかし勉強してもインプットは早いのですが、年数が経つと忘れてしまいます。

アウトプットする機会がないと勉強したことを忘れてしまうため、アウトプットする機会を探しに行こうと出した答えが、自分で勉強し
たことをセミナーで話すことでした。
危機感を感じた時は、言われた仕事を言われた通りにやって成果を出してということしか考えていませんでした。このままこのやり方で
仕事をし、培ったスキルが果たして社会に出て通用するかと考えた時、「通用しない」と感じました。
例えばプログラミングを習っている若い方と一緒に仕事をし、プログラムが分からないから自分のやり方で進めてしまうと、若い方たち
は「そんなこともできないで何やっているんだ?」と感じてしまい仲良くプロジェクトを進められないという懸念点が出てきます。そう
いう未来を歩まないためにテーマを設けて勉強し始めました。

 

 

勉強のテーマは、1年目はブロックチェーンについて、2年目はAI、3年目は働き方改革、量子コンピューターでした。2年目に勉強した
ブロックチェーンは当時とても勉強しましたが、技術進化がめざましく、途中で置いていかれてしまいました。やはりアウトプットする
機会をもっと増やしてなるべく忘れないような環境を自分で作る仕組みが必要だと思います。
第1回目のセミナーは、経理部における業務改革をするための DXセミナーを開催しました。サブタイトルで、資産管理において他社事例
から急激に変化する時代への対応を探る、という大きなテーマを扱いました。このテーマを選定した理由は、自社の製品が資産管理系だっ
たためそれにDXをからめました。自社セミナーなので、当然自社の利益に繋げないといけません。セミナーを通して経理部の方とたくさ
ん接し、多くの課題を知ることができました。

 

 

  

システム投資を考える企業が増加

ある部門のDX推進をする場合、イノベーションをすることになるので、その業務に携わっていた専門の人たちの仕事を奪ってしまいます。
会社の管理者としては非常に心苦しいため、これまでなかなかDX推進に踏み出せなかったと悩んでいる会社がありました。
最近は投資に決済を押しやすいご時世なので、外部環境の変化の波に乗って、わが社もシステム投資しようと考えている会社も多くあります。

 

 

先ほど経理部の方が担っている、専門性を発揮する仕事を奪うのが心苦しいという課題がありました。これは非常に厳しい言い方になりま
すが、私は「嫌われる勇気も大事」だと思います。反対意見は絶対に出ますし、全員がハッピーになれるイノベーションは残念ながらない
と考えています。ただし、最終的にハッピーになれ必ず変わることができるのがイノベーションです。
変化することに抵抗がある人は絶対数おります。現場の方は特に敏感です。
利益を考えて進める上での優先順位は、経営側が1番、現場は2番になってしまいます。そのため、現場のオーダーが反映されないまま、
経営的な観点だけでイノベーションをしようとしてもうまくいかないのは当たり前です。
まずは現場の声を理解しなければなりません。現場は今のやり方に慣れています。

  

 

 

続きは後編で。

  

 

 


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