G-SHOCK人気で増益に

(画像はPixabayより)
大手電機メーカー、カシオ計算機(東京都渋谷区)の2019年3月期決算は売上高2981億6100万円と前期比5.3%の減収となったものの、営業利益302億6200万円と2.3%の増、経常利益も298億9400万円で4.1%の増で増益となりました。
同社の主力商品である高級時計「G-SHOCK」が好調で売り上げを牽引しましたが、他の商品の売り上げが思うように伸びませんでした。しかし、収益性の高い高級時計や学生向けの関数電卓などで収益を確保しました。
今期2020年3月期のスタート、第1四半期も売上高660億7800万円と前年同期1.1%減の減収でした。一方で、営業利益は75億3200万円で13.9%の増、経常利益も70億3400万円の15.0%増と大きく収益を伸ばしました。
今期の高い収益の裏には、中国でのG-SHOCK人気があるようです。
高級時計に注力するトップ3
日本の時計業界は、カシオ計算機のほか、セイコーホールディングス(東京都中央区)、シチズン時計(東京都西東京市)のトップ3がシェアのほとんどを占めています。
近年、スマートフォンを時計代わりに使う人が増えているといわれる中、各社とも手頃な価格帯の時計の売り上げが伸び悩んでいて、高級時計の販売に力を入れています。
実際、2019年度から20年度にかけて、カシオでは「G-SHOCK」、セイコーでは「グランドセイコー(GS)」、シチズンでは「The CITIZEN」といった高級ブランドの売り上げが好調で、業績に大きく貢献しました。
こうした高級時計は、日本国内のみならず、海外でも人気が高まっています。
中国市場の追い風に乗れるか
カシオのG-SHOCKは「落としても壊れない時計」というコンセプトで開発され、1983年に発売されると、たちまち人気商品となりました。
その後も、耐低温、防塵、防泥と耐久性を高めたほか、ソーラー充電システムやGPS機能、スマホとの連携など進化を続け、今も変わらずカシオの主力商品となっています。
そして、今、G-SHOCK売り上げのさらなる追い風になりそうなのが、中国です。
2020年3月期の第1四半期(2019年4月~6月)、時計事業の売上高は394億円で前年同期に比べ、6%の増収になりました。利益率は23%です。
その原動力となったのがG-SHOCK、中でもメタルモデルのGメタルで、Gメタルの売り上げは3カ月間で49億円。前年同期比で40%の伸びとなりました。その売り上げを支えたのが中国というわけです。
中国での時計の売り上げは、前年同期比36%の増。売り上げの中心は通信販売で、1.5倍に拡大しました。景気に陰りが見えてきた中国での、これほどの売り上げ拡大は驚異的といえるでしょう。
同社は今後、さらなる中国での販売力強化を図る方針です。
果たして、G-SHOCKが中国市場をさらに席巻するのか。市場の注目を集めそうです。
▼外部リンク
カシオ計算機 第63期有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
カシオ計算期 第64期第1四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/
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