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中東情勢の影響で業績改善も新型肺炎に懸念 商船三井

昨年は業績改善が進んだ国内海運業界

(画像はPixabay)

海運大手、商船三井の業績が好調です。

今期第3四半期の累計は売上高8672億6900万円で前期同期比8.0%の減収、営業利益も243億300万円で18.1%減となりましたが、経常利益は492億8100万円で99.7%の増、当期純利益も484億8600万円で141.3%増となりました。

前期の2018年度決算は売上高1兆2340億7700万円で前期比25.3%減、営業利益は377億1800万円で66.3%増、経常利益も385億7400万円で22.6%増と減収増益でしたから、さらなる増益となっています。

こうした傾向は昨年の国内海運業界全体に見られ、商船三井に日本郵船と川崎汽船を加えた海運大手3社はいずれも、昨年後半にかけて業績を回復しています。

国際情勢に業績が左右されやすい海運業界ですが、現状と今後の見通しはどうなっているのでしょうか。

米国の経済制裁で運賃が上昇

今期、商船三井をはじめ海運大手3社が業績を改善したのは、米国の外交政策が大きな要因です。北朝鮮やイランへの経済制裁に違反したとして、米国が中国の大手海運会社に制裁を課したため、原油タンカーの運賃が一時的に高騰。その後も高い水準で推移しています。

また、商船三井と日本郵船、川崎汽船で設立した定期コンテナ船事業会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」が軌道に乗ったのも、業績改善の要因です。

ONEは2017年7月、3社の定期コンテナ船事業を統合してスタートしました。最初はなかなか統合のメリットを出せず、収益を上げられませんでしたが、2年目に入りようやく効率的な運航ができるようになり、コスト削減によって黒字経営に転換しました。

懸念される新型ウイルス肺炎の影響

昨年暮れまでは、順調に業績を伸ばしてきた海運業界ですが、今年に入って風向きが変わってきました。もちろん、原因は中国から世界へと流行が広がりつつある新型ウイルスによる感染症です。

大規模な隔離政策や海外渡航の自粛などによって、航空業界や海運業界への影響が懸念されています。もちろん、商船三井も影響を免れず、昨年暮れから株価も下落を続けています。

新型コロナウイルスが収束する見通しは今のところ立っておらず、それどころか、日本での感染拡大も現実のものとなりつつあります。世界経済にどの程度の影響を与えるのか、予断を許さない状況だといえるでしょう。

海外渡航の自粛が長引き、航空機の便数が減れば原油輸送の需要も減りますし、世界的な生産活動の落ち込みは製品輸送量の減少にもつながります。

商船三井としては、しばらくは我慢のしどころなのかもしれません。

▼外部リンク

株式会社商船三井 2018年度有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

株式会社商船三井 2019年度第3四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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