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世界経済減速の中、高収益体質の維持は? キーエンス

前期最高益更新も今期は減収減益傾向

(画像はPixabay)

日本の超優良企業の一つとしてあげられる機器製造業、キーエンス(大阪市東淀川区)の業績が下降傾向です。

2019年3月期決算は、売り上げ高5870億9500万円と前期比11.4%の増収で、収益も営業利益が3178億6800万円と8.5%増、経常利益も3198億6000万円の7.0%増となり、過去最高を更新する増収増益となりました。最高益の更新は7期連続です。

ところが、2019年3月の最終第4四半期では前年同期比で増収減益となり、久々の減益に。今期に入ると、第1四半期から前年同期比で減収減益が続いています。

今期第3四半期の累計決算は4113億9400万円で前年同期比6.6%減、営業利益も2060億4300万円と14.3%減になりました。

キーエンスは通期見通しを公表しませんが、おそらく今期の決算は前年に比べてかなり厳しいものになるでしょう。

驚異の利益率を誇るが

業績の不振の理由についてキーエンスは、米中貿易摩擦や中国経済の減速などによって、製造業の設備投資の落ち込んだことなどを挙げています。

確かに、キーエンスはセンサや測定器、解析機器など製造業務向け機器の開発が事業の柱で、世界経済への懸念や設備投資の落ち込みは痛手です。ただ、減収減益になったからといって、ただちに経営に影響を及ぼすわけではありません。

なぜなら、キーエンスは営業利益率が50%を超える超高収益企業だからです。同業他社の2019年度の営業利益率をみると、村田製作所が16.9%、京セラが5.8%。これを見ても、その利益率の高さが分かります。

独自のビジネスモデルに強み

キーエンスが、これほどまで高い利益率をあげられる理由の一つに、他社にはなかなか真似できない独自のビジネスモデルがあります。

同社は自社工場を持たず、生産はすべて全国の協力工場に委託しています。これによって、会社は企画・開発に専念し、製造は最適な工場を全国から選ぶことで設備投資も抑えられます。

また、営業では代理店を通さずに、担当者がダイレクトに顧客を担当します。これによって、顧客の声を直に聞いて製品開発に生かすことができ、中間マージンなどを省くことができます。

こうした費用の削減と、他社の製品では代替できない独自の製品開発が、キーエンスの高収益の秘密なのです。

そんなキーエンスですが、今期決算では、利益率が50%を切る可能性もあります。それでも、依然として高いことには変わりはないのですが、油断は禁物。新型コロナウィルスの流行で、さらなる世界経済の減速が懸念される中、キーエンスがどのように高収益体質を維持していくのか注目です。

▼外部リンク

株式会社キーエンス 第50期有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

株式会社キーエンス 第51期第3四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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