BI online

ビジネスニュースをデータ活用の視点から幅広く配信

宅配業界の課題解決に挑む SGホールディングス

過剰競争や人手不足に直面する宅配業者

(画像は写真AC)

宅配業者大手の佐川急便などを擁するSGホールディングス(京都市南区)の2019年3月期決算は営業収益が1兆1180億9400万円となり前期比7.0%の増収でした。

利益をみても、営業利益は703億5900万円で12.2%増、経常利益も747億6600万円で15.3%増。その結果、当期純利益も434億6500万円で20.7%の増益でした。

今年度に入っても、業績は堅調で上半期の収益は5877億900万円で前期同期比8.3%の増収。営業利益は371億9600万円で13.8%増、経常利益は389億2000万円で14.5%増でした。

過剰な競争やドライバー不足など、多くの課題を抱える宅配業界ですが、SGホールディングスはどのような戦略を立てているのでしょうか。

EC市場の拡大に追いつけず

近年、アマゾンや楽天市場など電子商取引(EC)の普及によって急成長した宅配業界ですが、各業者はなかなかEC市場拡大のスピードに追いつくことができず、対応に苦慮しています。

経済産業省や国土交通省のまとめによると、EC市場は2014年から2018年までの5年間で1.4倍に拡大、それに合わせて宅配便の扱い数も増加しています。2018年度の宅配便の取扱個数は約43億となり、20年前の2倍以上になりました。

一方で、トラックドライバーの人手不足は深刻で、2018年4月の自動車運転手の有効求人倍率は2.68倍。同じ月の全職業の求人倍率は1.35倍でしたから、実に2倍となっています。

このため、宅配業界では人件費が重荷となっていて、SGホールディングスのライバル、「宅急便」のヤマトホールディングスは、人件費の増大などで2020年3月上半期の営業利益が前期同期比73.5%減となるなど大幅な減益となりました。

運送業界をみても、日本通運が今期上半期、営業利益が14.4%減となるなど減収減益でしたが、こちらも人件費の増大が大きな要因となりました。

「貨客混載」や「適正運賃」に取組む

SGホールディングスでも、収益確保にさまざまな取り組みをしています。その1つが「貨客混載」の推進です。

貨客混載とは、乗客と荷物を一緒に運ぶことで、SGホールディングスでは2017年、新潟の第三セクター鉄道北越急行との間で始まりました。運転手不足の対策のほか、鉄道会社やバス会社にとっても収益の確保につながります。

現在は北海道や東北、関西などで展開。鉄道やバスだけでなく、タクシーにも広がっています。

また、「適正運賃収受」として、配送料金の引き上げも行っています。これは、EC市場の拡大によって、価格競争が激化し、業界が疲弊してしまった反省に立ったものです。

しかし、料金の引き上げは顧客離れにもつながります。顧客に受け入れられる「適正価格」とはどの水準なのか。各社では手探りが続いています。

今後も、拡大が予想されるEC市場を相手にする中で、宅配業界の激しい競争と生き残りをかけた試行錯誤はまだしばらく続きそうです。

▼外部リンク

SGホールディングス 第13期有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

SGホールディングス 第14期第2四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

Return Top