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高収益性確保に5G対応進めるタツタ電線

前期は大幅減益、今期は減収減益に

(画像は写真ACより)

中堅電線メーカーのタツタ電線(大阪府東大阪市)の苦戦が続いています。

同社の有価証券報告書によると、2019年3月期決算は、売上高579億9500万円で前期比5.1%の増収になったものの、営業利益が40億6700万円と19.4%の大幅な減益。経常利益も21.7%減の40億8700万円でした。

今期も業績の回復は進まず、2020年3月期上半期決算の売上高は291億2700万円と前期同期比2.9%の減。営業利益は23.0%減の20億4800万円、経常利益も23.4%減の20億6700万円と減収減益となりました。

電磁波シールドフィルムで高収益

タツタ電線の収益構造の特徴は、同業他社に比べて営業利益率が7.0%と高いことです。業界平均は2.4%で、住友電工の5.2%、古河電工の4.1%と比べても高い水準にあります。

これは、世界的シェアを誇る電磁波シールドフィルムの売り上げのおかげです。電磁波シールドフィルムとは、電気機器の誤作動などの原因となる電磁波を遮断するフィルムで、スマートフォンやテレビ、自動車など幅広い製品に使われます。

タツタ電線は電磁波シールド材のフィルム化に成功し、その後もさまざまな機能を持つ機能性フィルムを独自に開発。現在は京都と仙台の2工場で、機能性フィルムを月間150万平方メートル生産できる体制を構築しました。

世界シェアNO.1の機能性フィルムを擁する電子材料事業は、タツタ電線の収益の大きな柱となっています。

5G対応でシェア世界1位を維持

機能性フィルムで高収益を保っているタツタ電線ですが、電子材料事業への依存は弱点でもあります。実際、前年度からの収益悪化は、スマホ向け需要が一段落したことや米中の貿易摩擦で機能性フィルムの販売量が落ち込んだことが原因でした。

今後、通信規格は本格的な5G時代に突入します。2019年度には米国や中国の一部の都市で開始され、2020年度からは日本でも本格的に導入される予定です。

これに対し、タツタ電線も当然、5G通信やその後の高規格化に対応する高周波シールドフィルムの開発を進めていて、現在は製品化に向けた検証の段階。「世界シェアNO.1の維持」を目標に掲げ、シールドフィルムの高機能化に取り組んでいます。

センサー技術を活用した機器システム製品事業や環境分析事業など新規事業の開拓にも取り組むタツタ電線ですが、まだしばらくは機能性フィルムが経営の屋台骨となるようです。

▼外部リンク

タツタ電線株式会社 第95期 有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

タツタ電線株式会社 第96期 第2四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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