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伊藤忠の懸念が的中 韓国リスクで苦境のデサント

韓国の「日本製品不買運動」が経営直撃

(画像は写真ACより)

スポーツ用品大手デサント(大阪市天王寺区)が11月6日に発表した今年度の業績予想が「韓国ショック」として、メディアで大きく取り上げられました。

日本と韓国の関係悪化による韓国での不買運動の影響を受け、営業利益の予想を当初の80億円から86.3%の11億円へと引き下げるというのです。

もともと、デサントは韓国での売上高が高く、これまで売り上げの半分程度を韓国市場に頼っていました。そうしたデサントの収益構造には懸念の声も上がっていて、今年度から筆頭株主の伊藤忠商事の主導で中国事業にも力を入れ始めていたところでした。

デサントは不買運動による痛手を乗り越えることができるでしょうか。

韓国の「日本不買運動」が経営直撃

デサントの2019年3月期決算は売上高1424億4300万円で前期比0.9%の増となったものの、営業利益は17.3%減の79億3500万円。経常利益も12.8%減の84億5800万円となり、増収減益となりました。

これはEコマースや直営店の出店などへの投資が、思うように増収に結びつかなかったためです。また、韓国を初めとするアジアでの堅調な売り上げに比べて、ヨーロッパで苦戦していることも要因です。

今期に入って、上半期も売上高が前期同期比1.3%減の659億2600万円、営業利益が8.2%減の26億3800万円とやや伸び悩んでいましたが、7月以降、韓国で起きた日本製品の不買運動が業績を直撃しました。

これを受けて、デサントは今年度の業績見込みを大幅に下方修正。売上高を当初見込み額から9.2%減の1308億円に、営業利益を86.3%の11億円へと大幅に引き下げました。

同じ時期に業績予想を発表したライバル社の美津濃(ミズノ)やアシックスが、予想額を変えず、韓国情勢についても取り立てて触れていなかったことを考えると、デサントが抱える「韓国リスク」という問題が業績の悪化を招いたといえそうです。

伊藤忠の不安が的中

実は、韓国に依存した経営体質に早くから懸念を示していたのが、筆頭株主の伊藤忠商事(東京都港区)です。

伊藤忠は今年1月、デサントに対し株式公開買い付け(TOB)を行いましたが、その理由の1つが韓国事業への過度の依存でした。

その後、TOBは成立し、デサントの社長には伊藤忠の小関秀一氏が就任。収益構造の改革に乗り出したところでしたが、早くも伊藤忠の懸念が現実のものとなった形です。

デサントは8月に発表した中期経営計画で、今後、日本・韓国・中国に資源を集中し、中国事業での売り上げを大きく伸ばすとの計画を明らかにしています。そこには中国事業を伸ばすことによって、韓国リスクに備える狙いがありました。

手を打つ前に韓国リスクが顕在化したデサントは、今後、危機にどう対応していくのでしょうか。

▼外部リンク

デサント 第62期有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

デサント 第63期第2四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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