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AIを使い食品ロス削減に取り組むニチレイ

食品ロス対策でコスト削減図る

(画像は写真ACより)

冷凍食品大手のニチレイ(東京都中央区)の2019年3月期連結決算は、売上高が5801億4100万円と前期に比べ2.1%増えたものの、営業利益は295億1100万円と1.3%の減、経常利益も298億6400万円で2.6%の減となりました。

これは、水産事業で世界的な魚介類の需要の高まりで輸入価格が高騰するなど、一部の事業でコストが増大したのが要因でした。

今期は第1四半期(4月~6月)の売上高が1428億300万円で前期同期比1.1%の増、営業利益は68億6700万円で4.4%の増、経常利益も70億9600万円で2.4%の増と順調に売り上げと利益を伸ばしています。

ニチレイの2019年3月期の利益率は、営業利益・経常利益ともに5.1%。食品業界は利益率があまり高くならないので、売り上げを伸ばすとともに、コストの削減も重要です。

ニチレイは今、AI(人工知能)を使って食品業界の課題となっている食品ロスの削減を図りながら、コスト削減を図ろうとしています。

世界的課題の食品ロス

食品ロスは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことで、食べ残しや消費期限切れなどで廃棄される食品、加工食品の生産過程で捨てられてしまう食材などです。

農林水産省によると、日本の食品ロスは約643万トン(2016年度推計値)。国民1人当たりに換算すると、年間約51キロを捨てている計算になります。

食品ロスは世界的な課題となっていて、フランスでは2016年に「食品廃棄禁止法」が制定され、一定規模のスーパーでは売れ残った食品は、慈善団体に寄付するか、飼料や肥料にすることが義務づけられました。

日本でも「食品ロス削減推進法」が成立し、間もなく施行されます。これによって、企業は食品ロス削減をするための削減が求められることになります。

AI導入で廃棄量の8割減目指す

ニチレイなどが開発したのは、AIを使った製品の選別システムです。唐揚げなど鶏肉加工食品は、製造過程で骨が混入する可能性があり、同社では製品を袋詰めする前にX線検査を行っています。

しかし、製品の位置や向きによっては判別の精度が下がり、骨が混入していない可能性がある製品も念のため捨てていました。その判定精度を、AIを使って高めることに成功しました。

この技術によって、骨が混入した製品だと誤認する比率を5分の1に低減させ、製品の廃棄率を50%削減。3年後には削減率を80%にするとしています。

同業他社のマルハニチロや日本水産も食品ロスの削減に取り組んでいますが、今のところ、商慣行の見直しや消費者への働きかけにとどまっています。

食品業界の経営構造は、各社とも大きな差はありません。ニチレイのような新技術による製造工程での食品ロス削減の取り組みが今後、どのように広がっていくのか注目されます。

▼外部リンク

ニチレイ 第101期有価証券報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

ニチレイ 第102期第1四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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