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中国経済の落ち込みで減収減益が続くファナック

貿易摩擦の影響で輸出が減少

(画像はPixabayより)

産業用ロボットの世界的メーカーのファナック(山梨県忍野村)の業績が急激に悪化しています。

同社の有価証券報告書によると、2019年3月期連結決算は売上高6355億6800万円で、前期比12.5%の減、営業利益も1632億9700万円で前期比28.9%の減、経常利益も1834億5900万円で26.5%の減と大幅な減収減益となりました。

今期に入っても回復の兆しは見えず、4月から6月までの第1四半期報告書を見ても、売上高1346億3400万円で前期同期比26.4%の減、営業利益は285億9500万円で47.5%の減、経常利益も320億6300万円で47.2%の減となりました。

ファナックの苦境は、中国への輸出減少が大きな要因です。米中貿易摩擦の影響が直撃したともいえるでしょう。

世界のトップクラス企業として高い収益率

ファナックは1956年に民間企業として国内初のNC(数値制御装置)と、指示通りに機器を制御するサーボ機構の開発に成功した会社です。

以来、製造機器などの自動化に取り組み、今では、さまざまな工業用ロボットを開発。国内だけでなく海外にも輸出する世界有数のロボット機器メーカーとなりました。

トップ企業の強みは、その収益率に現れています。2019年3月期の営業利益率は25.7%。それに対し、業務用機械器具製造の業界平均は7.4%です。同じ工業用ロボットを手がけるオークマの13.0%、DMG森精機の7.2%と比べても、その高さが分かります。

これも、常に最先端の製品を開発し続け、市場を開拓してきたからこそです。

楽観できない中国情勢

近年、ファナックは中国の経済発展とともに、中国向けの売り上げを拡大してきました。

特に、2018年3月期には売上高が7265億9600万円と前期比35.3%増と大幅な伸びを見せましたが、これも中国のIT産業向け加工機器の輸出が一時的に増加したのが理由でした。

ですから、前期、今期と売り上げが落ちているといっても、2018年3月期の大幅な伸びを考えれば、元の水準に戻っただけとも考えられます。

しかし、中国の経済情勢を見れば、先行きを楽観視できないのも事実。米中貿易摩擦によって中国経済には陰りも見えてきています。問題の解決と中国経済の回復には、まだ時間がかかるとみられます。

中国経済の先行きが見通せない中、しばらくは堅調な売り上げを見せている国内や欧州市場のほか、輸出が増えてきているインド市場が、同社にとっての頼みの綱となりそうです。

▼外部リンク

ファナック四半期報告書 第51期第1四半期報告書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

ファナック有価証券報告書 第50期
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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