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炭素事業での世界的シェア拡大目指すクラレ

繊維から化学メーカーへと脱皮

(画像はPixabayより)

化学繊維を製造するために1926年に設立されたクラレ(東京都千代田区)は、創業から90年たち、今や繊維メーカーから日本を代表する化学メーカーへと脱皮しました。

食品包装用の化学樹脂「エバール」や合成ゴムなど化学製品の材料となる「イソプレン」の分野で独自の技術や商品を持ち、営業利益率は2018年12月期決算で10.9%になるなど高い収益力を誇ります。

化学業界全体の営業利益率の平均は4.4%、同業他社の東レ(東京都中央区)は5.9%、三菱ケミカル(東京都千代田区)は7.6%ですから、その高さがわかります。

世界的な競争が激しい化学業界で、クラレはどのような成長戦略を描いているのでしょうか。

世界的な経済減速で利益率も低下

クラレの2018年12月期連結決算は、売上高が前年同期比16.3%増の6029億9600万円となったものの、原料や燃料の価格上昇などを受けて、利益が減少。

営業利益は13.8%減の657億9400万円、経常利益は17.6%減の611億6700万円、当期純利益は38.4%減の335億6000万円となりました。

これによって、営業利益率も前年同期の14.7%から10.9%に下がりましたが、業界全体から見えれば、まだまだ高い水準にあります。

しかし、今期上半期の業績ははかばかしくありません。上半期の決算によると、売上高は前年同期比4.6%減の2874億1900万円、営業利益は23.0%減の279億2100万円、経常利益も28.6%減の246億8500万円でした。このままでは、さらなる利益率の悪化も懸念されます。

原因について、クラレは米中間の貿易摩擦による貿易の縮小や、中国の経済成長の鈍化などによる世界経済の減速を挙げています。

活性炭事業に期待を寄せる

経営環境に厳しさが見え始めた中、クラレは新たな事業を、エバールなどの化学樹脂やイソプレンに次ぐ柱に育てようとしています。それは活性炭事業です。

活性炭といえば、家庭用の脱臭剤を思い出しますが、水の不純物や有害ガスを除去する性質があり、水の浄化装置や排ガスの処理装置などに使われます。

クラレは昨年、活性炭の世界最大手、カルゴンカーボン(米・ペンシルベニア州)を買収し、子会社としました。これによって、活性炭事業の世界的な展開を図ります。

環境対策への関心が世界的に高まる中、今後、活性炭の需要も高まるのではないかと、同社は大いに期待を寄せています。果たして思惑通り、活性炭事業はクラレの第3の柱として成長することができるでしょうか。

▼外部リンク

クラレ 2019年12月期第2四半期決算短信(連結)
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

クラレ 有価証券報告書-第138期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/

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